スキンケア ~被覆材、外用薬の選択~
被覆材、外用薬の選択
外用薬、被覆材の選択⇒浅いか 深いか
使用量、交換回数⇒滲出液が漏れる前に
固定用テープの選択⇒皮膚障害、脆弱の程度
ずれの予防⇒伸縮性の程度
汚染の予防⇒防水性、通気性が適切か
ポリウレタンフィルム剤
透明で観察が容易
水蒸気や酸素の透過性があり不感蒸泄を妨げない
伸縮性がありフィットしやすい
適切
上皮形成した浸出液の少ない創
発赤や水泡の保護
摩擦やずれの予防
二次ドレッシング剤として
不適切
浸出液のある創
感染創
出血創
皮膚脆弱な症例
かぶれが生じる症例
ハイドロコロイドドレッシング
真皮に至る損傷に適応
厚みのあるタイプ
デュオアクティブCGF
浸出液が少~中等量
滲出液をゲル化して程度な湿潤環境を保持
外部からの汚染防止
閉鎖環境による新生血管促進
壊死組織の自己融解を促す
疼痛緩和
貼付方法
創縁より2~3㎝外側まで覆えるようにする
小さすぎるとはがれやすく、浸出液保持面積が少なくなる
しわや隙間が生じないように密着させて貼付
貼付する方向は安定が得られる方向に
交換時期
ドレッシングの溶解の範囲が創より大きくなった時点
浸出液の範囲が外周から2㎝が交換の目安
ハイドロファイバー
高吸収繊維を用いた被覆材
保水性が高くゲル化して湿潤環境を保持
水分を繊維の縦方向に吸収し横方向への広がりを抑えるため創周囲の皮膚が浸軟しない
銀イオンで抗菌作用
二次ドレッシング材による固定が必要
1. アクアセル(R)にはシート状とリボン状の形状がある
2. バーシバ(R)XCは粘着層にハイドロコロイド、創接触部・吸収パッド層にハイドロファイバーを使用し、滲出液を吸収・保持し、水蒸気透過性を低く抑えた外層で、少量から多量な創に対応する
ポリウレタンフォーム
ハイドロサイト
メピレックスボーダー
使用方法
浸出液は中等量~多量
自重の役10倍の吸収量
創部の外側より1.5㎝~3㎝大きいサイズを選択する
浸出液が創縁から1㎝に達したら交換時期
外用薬
外用薬は薬効成分が約1%、基剤が約99%からなる。
疎水性と親水性に分類される
疎水性は油脂性基剤が使われている。
親水性は水溶性基材や乳剤性基剤が使われている。
創の水分量により基剤を選択
創面水分量 適正な湿潤は60~70%
水分量過剰→ 吸水性薬剤→ 水溶性基剤(イソジンシュガーパスタ、アクトシン等)
水分量不足→ 補水性薬剤→ 乳剤性基剤(ゲーベン、オルセノン等)
油脂性基剤
特徴:皮膚保護作用
保湿作用
皮膚刺激性が少ない
主な薬剤:アズノール軟膏→薬効成分:ジメチルプロピルアズレン
基材:白色ワセリン 精製ラノリン
エキザルベ→薬効成分:混合死菌浮遊液(局所感染防御、肉芽形成促進)
ヒドロコルチゾン(抗炎症作用)
亜鉛華軟膏→薬効成分:酸化亜鉛20%(外傷、熱傷、皮膚炎等の収斂、消炎、保護)
基剤:白色軟膏(単軟膏より吸水性が高い)
亜鉛華単軟膏→薬効成分:酸化亜鉛10%
基材:単軟膏(吸水性)
プロスタンディン軟膏→薬効成分:アルプロスタジルアルファデクス(皮膚血流促進 血管新生・肉芽・表皮形成促進)
基材:プラチナベース
水溶性基剤
特徴:吸水作用、水で簡単に洗い流せる(創をドライにする効果)
主な薬剤:テアラジアパスタ→薬効成分:スルファジアジン
基材:マクロゴール(100gで水180gを吸収可能)
イソジンシュガーパスタ→薬効成分:精製白糖(創傷治癒促進)
ポピドンヨード(殺菌作用)
基材:マクロゴール(水分を吸収する)
感染のある時に使用 おさまったらすぐに肉芽形成の薬剤に変える
アクトシン軟膏→薬効成分:ブクラデシンNa(皮膚血流促進 血管新生・肉芽・表皮形成促進)
ブロメライン軟膏→薬効成分:ブロメライン(たんぱく分解酵素)
壊死組織除去作用 周囲の皮膚はワセリンで保護
基材:マクロゴール
乳剤性基剤
ゲーベンクリーム→薬効成分:スルファジアジン銀(抗菌作用 軟化により壊死組織除去)
基剤:水中油型(o/w型)補水作用あり。比較的水で洗い流しやすい。
オルセノン軟膏→薬効成分:トレチノイントコフェリル(血管新生・肉芽形成促進)
水分含有率73%
その他
フィブラストスプレー
薬効成分:トラフェルミン(新生血管・肉芽形成促進)
溶解後は10度以下で保存
使用方法
患部から5㎝離してスプレーする。
患部へ一日一回一度に5回スプレーする。
30秒静置してから患部を被覆材で覆う。
まとめ
■基剤は種類により性質が異なる
■薬効だけでなく、基剤選びも大事
■基剤による水分コントロールで適正な湿潤環境に