飲水介助の重要性
水は私たちの生命に欠かせないものであり、その提供方法やタイミングが適切であるかどうかは、患者の回復に大きな影響を及ぼすことがあります。
患者の水分摂取は、健康を維持し、病気や合併症を予防するために不可欠です。そして、その水を提供し、サポートするのが看護師の役割です。
この記事では、飲水介助の重要性に焦点を当て、看護師がなぜその役割を果たすべきかについて探求します。
必要な飲水量は?
1日必要飲水量=体重✖️30
食事全量摂取して800〜1000mlあり
引き算して残りを飲水介助する
脱水リスク
水分摂取が少ないと、脱水のリスクが高まります。看護師は患者に対して定期的な水分摂取を確保し、脱水からくる健康問題を予防します。水分不足は尿トラブルや褥瘡(床ずれ)、せん妄などの合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
脱水には大きく分けて3つのタイプがある
・水欠乏性脱水(高張性脱水)
⇒体液中の水分を失うことによる脱水
・ナトリウム欠乏性脱水(低張性脱水)
⇒体液中のナトリウムを失うことによる脱水
・混合性脱水(等張性脱水)
⇒水分とナトリウムの両方を失うことによる脱水
脱水には以上の3タイプがありますが、最も多いのは混合性脱水(等張性脱水)です。
脱水時の血液データの変化
脱水によって体内の水分が減少し血液の濃縮が起こり、腎機能が低下します。そのことによって、次のような数値が上昇することがわかっています。
・赤血球数(RBC)
・ヘモグロビン値(Hb)
・アルブミン(Alb)
・総たんぱく(TP)
・ヘマトクリット(Ht)
・尿素窒素(UN)
・尿酸(UA)
・クレアチニン(Cr)
また、体液中のナトリウムを失うことによって生じる低張性脱水の場合は、ナトリウム(Na)が低下、体液中の水分を失うことによって生じる高張性脱水の場合はナトリウム(Na)が上昇します。なお、下痢や嘔吐によって生じた脱水の場合は、ナトリウム(Na)に加え、カリウム(K)やクロール(Cl)などの電解質の数値も低下していることが多いです。
脱水によって以上のような血液データの変化が見られるとされていますが、数値の変化は個人差もあり、顕著な変化が見られない症例もあります。そのため、医師は身体所見や食事、運動などのADLの聞き取りを行ったりしながら、総合的に脱水状態であるかどうかの判断を行います。
まとめ
結局のところ、飲水介助は看護の中でも重要な役割の一つです。患者の健康と回復をサポートし、合併症を予防するために、看護師は飲水介助のスキルを駆使し、患者に適切な水分摂取を提供します。これは単なるお世話ではなく、患者の生命と健康を守るための大切な役割なのです。
食事や水分の摂取量が低下すると、脱水症状を引き起こします。活気がなくなりるなどの症状があれば、医師に報告しましょう。経口的に食事や水分摂取が困難な場合は、補液を行うこともあります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。