移乗用リフトの基本的な操作方法

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回復期リハビリテーション病棟では移乗用リフトが導入されています。
移乗用リフトは安全に利用することができる機器です。
リフト移乗はむずかしい移乗方法ではありません。
まずは、リフトを操作する機会を増やすことで、苦手意識をなくすことが操作上達のカギとなります。
リフト操作に慣れると、移乗を手伝ってくれるスタッフを探したり、待っていたりする必要がなくなります。

基本的な操作方法


スリングシートにはベルト型、脚分離型、トイレ用、シート型、シャワーキャリー型があります。
ここでは、脚分離型スリングシートの敷き込み手順について書いています。

ポイント


① スリングシートと体の位置が合っているか
② 臀部が覆われているか
③ ストラップがリフトハンガーにしっかりかかっているか

手順

ベッド上の臥位姿勢からの敷き込み


① 患者さんを側臥位にして、スリングシートのセンターと背骨の位置をあわせる。
  スリングシートのセンター下部は仙骨部~肛門付近に合わせる。
② 仰臥位に戻し、スリングシートが体の中央にあることを確認する。
③ シート脚部は大腿部裏を通して交差させる。
④ ベッドをギャッチアップし、リフトハンガーにストラップを掛けて、吊り上げる。

車いす上の座位姿勢からの敷き込み


① 体を前傾させ、スリングシートのセンターと背骨の位置を合わせて敷きこむ。
  スリングシートのセンター下部は座面につくまで差し込む。
② シートの脚部はしっかりと臀部を覆うように敷き込み、大腿部の裏を通して交差させる。
③ スリングシートが体の中央にあることを確認する。
④ リフトハンガーにストラップを掛けて、車いすのブレーキを外して、吊り上げる。

車いすのへの着座方法


① 車いすのブレーキを掛ける。
② 車いすの前輪が少し浮く状態まで、患者さんの膝を車いす側へ押す。
③ 患者さんの膝を押しながらリモコン操作を行い、深く着座させる。


リフト操作に慣れると、手伝ってもらうスタッフを探す時間と、患者さんをリフトで吊り上げて移乗する場合とトータルの時間はさほど変わりません。
安全な移乗を一人で行えることは、看護師にとっても患者さんにとってもメリットがあります。
スタッフが上手にリフト移乗を行うことは見ている患者や家族ににとって、できるできないの判断材料につながります。
はじめは、スタッフ間で繰り返し最低限の練習を行い、その後、ケアの場面で実践するとよいでしょう。