スキンケア ~褥瘡について~
褥瘡とは
寝具や車いすなどと身体が接触する部分に外力(圧力+ずれ力)が一定時間持続することで皮膚や皮下組織の血流が悪くなり、皮膚や軟部組織が壊死することです。
一定時間とは
70~100mmHg以上の圧力が2時間、皮膚に加わると、組織損傷徴候が現れるとされている。
仰臥位の仙骨部には150mmHg
座位時の座骨結節部に500mmHgの圧力がかかるとされている。
褥瘡発生要因「個体要因」と「環境・ケア要因」がある。
リスクアセスメントスケール
スケールを活用することで、観察視点を統一し、経時的に観察、評価できる。
危険因子を共有化できて、予防対策の介入ポイントが明確になる。
褥瘡危険因子評価表
日本人高齢者の褥瘡発生リスクの特徴である「病的骨突出」を項目に組み入れている。
「あり」もしくは「できない」が1つ以上ある場合をリスクありと評価する。
褥瘡リスクアセスメント
リスクアセスメントした結果から発生要因を排除するまでが、褥瘡ケアの基本
施設や部署の特性にあわせて曜日や日付でリスクアセスメントを実施するよう設定し、リスクアセスメントを習慣化させるという方法もある。
ポジショニング…安全で、快適で安定した姿勢や活動しやすい姿勢を提供すること
枕を大腿部の奥に挿入することで仙骨にかかる圧を大腿部全体で受けることができる。
膝を軽度屈曲位
手を入れて踵が浮いているか確認
膝下に隙間をつくらない
30度側臥位 30度の傾斜で殿筋の接触面積を増やし仙骨部の局所圧を分散させることができる
「痩せ」に注意
殿筋が痩せている場合、30度側臥位にすることで腸骨端と仙骨部の2か所に圧力がかかる
ずれ…垂直方向の圧迫ではなく、接触面に沿った圧迫
ベッドの背上げ・背下げ機能により方向づけられる力
⇕ 相反する力が生じる
患者の身体に生じる重力に従い落下する力
背もたれを挙げたら
背中…ゆっくりと背中をベッドから離し、服のしわを取り除きましょう
剥がす範囲
背部から臀部
足…片足ずつ足全体をベッドから浮かし、服のしわを取り除きましょう
DESIN(褥瘡評価経過ツール)
Depth:深さ
Exudate:滲出液
Size:大きさ
Inflammation/Infection:感染/炎症
Granulation tissue:肉芽組織
Necrotic tissue:壊死組織
Pocket:ポケット
重症度を分類するとともに、治癒過程を数量化できる
EからPまでの6項目に点数をつける
合計 0~66点(Dは含まない)
重症度が高いほど高得点となり、治療に伴い点数が減少すれば改善傾向を示す