ICF分類の書き方

natue7070.hatenablog.com


ICFの基礎知識を前回記事にしましたので、今回は一つ一つの項目に患者さんのどんな状態を当てはめればよいのか見ていきたいと思います。
また、各項目を記載すると、何が問題で、強みは何かを把握することにつながります。

健康状態

まず、ICFにおける「健康状態」とは、患者さんの疾患や怪我、症状などを意味します。そのほかにも肥満、妊娠やストレスなど精神状態も含みます。
健康状態の項目を書く場合は、患者さんの病名や合併症、既往歴を書きます。
現病歴の経過や状態についても詳しく記載すると本人の健康状態を詳しく理解することができます。

心身機能・身体構造

「心身機能・身体構造」は生命の維持に直接的につながるもの自分の体の機能を指します。
心身機能は、手足の動き、視覚・聴覚、内臓、精神等の機能面記載します。
身体構造は手足の関節の構造、靭帯、内臓、皮膚等の構造面を書きます。


活動

「活動」とは一連の動作からなる目的をもった個人が遂行する生活行動のことです。
食事・整容・更衣・入浴・排泄のADLを書きます。
そのほか料理や洗濯などのIADL、職業的動作、余暇活動なども書きます。

参加

「参加」とは家庭内での役割を含め、社会的な役割をもって、それを果たすことです。
家庭内の家事の役割りの他、地域行事の参加、趣味・スポーツへの参加などを書きます。

環境因子

「環境因子」は「物的環境」「人的環境」「社会的環境」の3つに分けられます。

「物的環境」には住居や交通の便、各種の医療物品や福祉用具、介護用電動式ベッドなどの他、地震、豪雨、豪雪といった自然環境も含まれます。

「人的環境」には家族や親族、友人、近隣住民、職場の同僚など、患者さんを取り巻く様々な人々との相互関係が含まれます。
また、人を中心とした社会や集団がどのような態度で接するのか(排除するのか、受け入れるのか)といったものも含まれます。

「社会的環境」は医療サービス、介護福祉サービス、それらを利用する上で適用される社会保険です。

個人因子

「個人因子」とは、患者さんの年齢、性別、生活歴、職業歴、学歴といったもののほか価値観やライフスタイル等も含まれます。
これは、個別性が高く、個人の趣向や性格等も含まれるため、活発であったりそうでなかったり、大勢の集団の中に加わることを楽しく感じたり、不快に感じたりするという違いもあります。

まとめ

患者さん自身が何を生活の中で望んでいるのか、何を必要としているのかということについて、具体性をもって目を向けることでICFを有効に用いるきっかけとなります。
退院後の生活を正しくイメージし、適切な療養上の世話や退院調整につなげていきましょう。